コラム:vol.7 各国のフェムケア事情が知りたくて フランス編
2024.04.28
オーガニックプロダクト経由でフェムケアアイテムを知る
私がフェムケアを知るきっかけになったのは、オーガニックプロダクトです。一時期、オーガニックが気になりすぎて、「実際のところどうなんだろう……」と、オーガニックスーパーでアルバイトをしていたことがあります。ちょうど、スーパーフードからのオーガニックブームが起きていた頃です。
なぜオーガニックが気になり出したのかというと、オーガニック先進国であるフランスに定期的に行く妹の存在。妹はフレンチヴィンテージをメインに取り扱うヴィンテージショップ『KIRA CLOSET vintage』を営んでいて、買い付けのために年に2回ほどフランスに行きます。
そのたびに情報を得たり、私自身も一緒に行ったりすることでオーガニックプロダクトに触れる機会が増え、その流れでデリケートゾーンをケアするアイテムがあることを知りました。
オーガニックが根付いているフランス
日本では、基本的に一般的なスーパーとオーガニックスーパーは別物。ここ数年で一般的なスーパーがプライベートブランドとしてオーガニック食品を展開するようになったと思いますが、それでもまだ身近ではない印象。それは、価格の差にあると思います。
プライベートブランドとして展開することで多少は手頃な価格になってはいるものの、そうでないものと比べるとやっぱり高い。食料品や日用品は日常的に消費していくものだから1円でも安いほうが嬉しいと考えると、なにかしらの理由がない限りはオーガニックを選択することはないだろうな……と。また、売場もオーガニックコーナーとして別枠で陳列されていたりもするので、そうなるとオーガニックは特別なもの、トレンド的なものとして捉えられる可能性もあると思います。
一方、オーガニック先進国と言われるフランスでは、一般的なスーパーでもオーガニックのものが並んでいます。陳列の仕方にも違いはなく、オーガニックは選択肢のひとつとして認識されている印象です。
フェムケアは日用品として陳列されている
この考え方はフェムケアアイテムにも共通しているように思います。フェムテック・フェムケアのコーナーが設けられているわけではなく、人気のお土産スポットでもあるスーパーの『Monoprix(モノプリ)』では、潤滑ゼリー、コンドーム、紅茶が同じ棚に並んでいました。
この棚を見たとき、「コンドームのパッケージは意外と男性的なのね」と思いつつ、それ以上にコントラストが強い陳列の仕方にびっくり!「オーガナイズされていないだけでは……?」とも思いましたが、それくらい日用品として扱われているのだな~と。
そう思ったのは、『Monoprix』をはじめ、チェーン展開されているオーガニックスーパー『NATURALIA(ナチュラリア)』などでは、オリジナルのフェムケアアイテムがあったからです。
チェーン展開しているスーパーでオリジナルのフェムケアアイテムがあるということは、それくらい生活に根付いているということ。
パッケージはサステナブルが当たり前
そして、パッケージがミニマムなところも、オーガニック先進国であるフランスらしさだと思いました。『Monoprix』オリジナルのおりものシートは個包装はなく、パッケージに直接詰められていました。確かに、自宅で使うならこのスタイルで十分ですよね。
生理用ナプキンもナチュラル素材が使われているのが当たり前。パッケージもペーパーボックスタイプが多いし、そうではない場合でも天然素材が使用されています。
中には、厳格な認証である【EU Ecolabel】を取得しているものもあるくらいです(下記写真左)。
フランスのフェムケアの歴史は長い
年齢とともに変化するホルモンバランスに着目して、デリケートゾーンのケアアイテムなどを展開している『Saforelle(サフォレル)』というブランドがあるのですが、なんと1989年に設立されていました。
日本初のデリケートゾーンケアブランドは2012年に誕生したと言われているので、その差は歴然。だからこそフランスでは習慣化していて、日本ではフェムテック・フェムケアという言葉とともにトレンドとして広がりつつあるのだと感じました。
フランスのフェムケアアイテムは全体的にサステナブルさを重んじているとしたら、日本はラインナップを充実させていくスタイル。生理用品のラインナップだけをみたら、日本を越える国はないのでは……と思うほど。フェムケアアイテムも、その国の文化にあわせて発展していくことを改めて感じる機会となりました。
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k company CEO
ライフスタイラー/フェムケアコンシェルジュ
木川誠子