コラム:vol.4 各国のフェムケア事情が知りたくて 韓国編

2024.01.09

 

フィールドワーク、始めます!

昨年はフェムケアコンシェルジュとしての活動を開始し、医療関係者でもない、メーカーでもない立場からの発信に可能性を感じることができました。また、取材・執筆も重ねることができ、実りある1年となりました。さまざまなサポートをいただけたことが活動の拡大につながったと感じています。ありがとうございました!2024年もどうぞよろしくお願いいたします。  

 

そして、昨年は新たな取り組みとしてフィールドワークを始めました。  

フィールドワークとは、授業や本からは学べない情報を直接現地で集める行動です。私が知りたいのは、各国のフェムケア事情です。その1ヵ国目に選んだのは、美容大国の韓国!  

 

美容大国 韓国の生理用品はナプキンが主流

今回は市場リサーチがメインだったので、最新の美容アイテムが並ぶ『オリーブヤング』をはじめ、コンビニやスーパーをめぐりました。そんな中で一番印象的だったのは、生理用品はほぼナプキンだったことです。タンポンも1~2点はあるのですが、圧倒的にナプキンが占める割合が大きかったです。『オリーブヤング』では、フェムケア売場の約1/3を占めていたほど。しかも、そのほとんどがナチュラル・オーガニックタイプでした。

日本のフェムテック・フェムケアの動きを語るうえで、第三の生理用品と言われる吸水ショーツや月経カップ、月経ディスクの広がりは象徴的なこと。

 

一方で韓国では、吸水ショーツも月経カップも月経ディスクも見かけなかったので、これはとてもおもしろい傾向だと感じました。

 

数ある生理用品の中で、私が唯一購入したのは韓国ブランドの【inertia】。天然素材100%の薄型ながら、バイオテクノロジーを用いて吸収性などの機能面も担保しているという優秀さ。さらには、ペーパーボックスを採用していて、デザインも洗練されています。ぱっと見、生理用ナプキンだとはわからないと思います。  

 

韓国のフェムケアアイテムは、生理用品にかかわらず、すべてのアイテムにおいて”いわゆる”というデザインがなかったのも印象的でした。  

 

コンドームだって美容アイテムのような佇まい

中でももっとも驚いたのは、コンドームのデザインです。

3枚の写真に写っているアイテムは、すべてコンドームです。

 

日本のコンドームは、もっとぎらついていて、”いかにもコンドームです”というデザインが多いと思います。ですが、『オリーブヤング』に並んでいたコンドームの洗練さといったら……。

 

コンドームは性別に関係なく持っていたほうがいいアイテムだけど、購入する際に心理的なハードルが出てしまうもの。でも、これくらい洗練されていると買いやすくななると思いますし、デザイン次第でアイテムに抱く印象がこんなにも変わるんだということを改めて感じました。   

 

妊娠検査薬もポップ!

同じくデザインの概念を変えてくれたアイテムが、韓国のお土産スポットとしておなじみの『ダイソー』で見つけた妊娠検査薬。ちなみに、この『ダイソー』は日本の100円均一ショップとは別物のバラエティショップです。

まず、バラエティショップに妊娠検査薬があることにもびっくりしたし、「こんなにもポップなデザインがあるんだ~!」と、使う予定はないのに思わず買ってしまいました(笑)。

 

 

現地に行ったからこその気づきと学び

実は、韓国出張に行く前は、「フィールドワークとして続けよう」という考えはほとんどなくて、「韓国のフェムケア事情を調べに行こう」という軽い感じでした。だけど、実際に行ってみると知りたい気持ちが大きくなっていきました。

 

日本では販売されていないアイテムに出会えることもそうですし、日本と韓国のフェムケアの根付き方の違いを知ることができます。韓国でフェムケアアイテム売場を見て、やっぱりデザインは大切なんだとしみじみ。

私が訪れた『オリーブヤング』(店舗によって違うと思う)にはフェムケアコーナーがあり、その棚に並んでいるアイテムのデザイン性は高かったです。見た目(パッケージ)をよくすることで、手に取りやすくなり、取り入れる際のハードルを低くすることもできると思います。まだまだ浸透していないフェムケアアイテムにおいてはとても重要な考え方。

 

その一方で、「あまりイノベーティブではないかも……」という考えが一瞬よぎりました。とはいえ、私が購入した生理用ナプキン【inertia】は、女性のチームが研究開発を重ねて誕生したブランドだし、私も注目している韓国発セクシャルウェルネスブランド【SAIB(セイブ)】は、女性の健康を守りながら、性に対してポジティブに向き合える製品を展開しています。表面的ではなく、根本部分にじわじわと働きかけているブランドが誕生していることを考えると、大きなイノベーションが起きるのかもしれないと。これからの動きがより楽しみになってきました。

 

このようなことを感じて、考えたのも、現地に行ったからこそ!帰国後にその想いが強くなったので、各国のフェムケア事情を知るためのフィールドワークを本格化させていこうと思います。

 

さらには、日本国内でも地域差はあると思うので、2024年は日本各地も含め、海外のフェムケア事情のフィールドワークを可能な限り行おうと思います。その内容はコラムとして順次お届けしていきますので、ぜひ楽しみにしていてください。

 

 

>>>コラム一覧
vol.3 広報ツールも五感を意識
vol.2 体毛処理は目的を持って行うことが大事
vol.1 CEO 木川のフェムテック道

 

 

 

k company CEO
ライフスタイラー/フェムケアコンシェルジュ
木川誠子