コラム:vol.6 セクシャルウェルネスとオプティマスヘルス

2024.02.05

 

人は人、自分は自分がベースにある

編集者、ライターとしてのキャリアは約20年。その中でも、ウィメンズヘルスの領域の取材を始めてからは約15年、フェムテック領域に力を入れ始めてからは約10年です。そして、企画内容にあわせて産婦人科医、内科医、歯科医、精神科医など、さまざまな医師にお話を伺ってきました。  

 

今でも取材・執筆は続けているのですが、常々感じているのは、同じ専門分野でも医師ひとりひとりの考え方は違い、専門が異なれば同じ医師という職業でもまた違った考え方を持っているということ。さまざまな取材を重ねていくうちに、私の考えのベースにある【人は人、自分は自分】は、より明確に刻まれることとなりました。

 

だからこそ、自分と違う意見を持っている人に出会うのは楽しいし、「私はこう考えている」ということを話しています。ときには、「あなたの意見は必要ない」と言われることもあるし、自分と違う意見を言われると「自分の人格が否定された」と感じる人がいることにも気がつきました。そう思うことは理解ができるし、私自身もそういう状況に落ち込んだり、傷ついたりします。誤解やすれ違いが生じたときはそのままにしたり、めんどうくさがったりはせずコミュニケーションをとっていますが、やっぱり人は人、自分は自分です。

 

人の見た目は経験で変化する

その考え方は見た目に関しても同じ。トレンドや周りからの評価は気にせず、自分が好きな洋服を着るし、実年齢よりも若く見られたいとも、見られようとも思わないです。だからといって、自分の見た目に自信がある、好きだということでもない。矛盾していると思われることもありますが、そもそも自分の見た目に対して好き、嫌いという感想を持ったことがありません。感想を持っても変わらないから、今の最善を尽くそうと思って行動しています。

 

見た目の変化は年齢を理由にされることが多いけど、私は経験で変化すると思っています。年齢を重ねることだって経験です。常にこのような考えを持っているのですが、健康にも近い概念があることを知りました。  

 

オプティマルヘルスは広がるはず!

先日、取材させていただいた医師が【オプティマルヘルス】を目指していました。オプティマルヘルスとは、“生活環境、年齢、文化、価値観によって異なる状況の中で、人それぞれが最適で最善の健康を目指すこと”だそうです。約20年前からアメリカで提唱されるようになった考え方なのだとか。この話を伺ったときに「これだ~!」と思いました。  

 

私がフェムテック領域の中でも、“セクシャリティにおいて、身体的、精神的、社会的にも健康な状態であること”と定義づけられている【セクシャルウェルネス】を大切にしているのは、「フェムテックの本質はここにある!」と思っているからです。オプティマルヘルスにも近いものを感じます。  

 

私にとっての最適な健康、美しさ(見た目)が、人にとっての最適だとは限らない。フェムケアコンシェルジュとして活動するうえでも、ライターとして原稿を書くときでも、この考えは常に頭の中にあります。そして、セクシャルウェルネス、オプティマルヘルスの考えを深めていくことは、自分にとっての最適・最善を選んでいくための後押しになるように思います。私自身もその考えを大切に、ひとりでも多くの人に伝えていきたいと活力をもらいました。

 

 

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 k company CEO
ライフスタイラー/フェムケアコンシェルジュ
木川誠子